第1.5の人生 1

この国では、65歳になると前期高齢者の群れに入れられるが、当時の私にそんな実感はなく、死ぬまでバリバリ働くつもりでいた。ところが、70歳に近づく頃からフルタイムで仕事をするのがだんだんくたびれるようになってきた。80、90でも第一線で衰えを見せない人もいるので、弱音を吐くのは早いと思いつつ、気力、体力、知力が以前のようには働かない。

同年齢の人の大抵はリタイアしていて、とはいえ老け込んだり寝込むのはまだ先で、中途半端に元気が残っている。第2の人生をゴルフや麻雀に、夢中というかムキになって打ち込んでいる人を見ると、第1の人生ではよほど耐えがたい辛い目に会ってきたのだろうか、と余計な想像をしないでもない。ゴルフや麻雀が、その反動あるいは代償として手に入れたかったものだったとしても、社会貢献のかけらもない余生は、充実感どころか自分の社会的な存在位置を見失い、浪費の虚しさだけが残ることにならないだろうか。

逆に、どこまでも過去の地位を譲れない人もいる。組織や団体の名誉職に退きながら、現役時代の特権の味が忘れられず、なにかとにらみを利かそうとする。一目置かれたいのだが、悲しいかなすでにピントがずれてしまっていることに、本人は気がつかない。

スーパーボランティア、尾畠春夫さんのようなすがすがしい生き方もあり、心からの敬意を惜しまないが、私の場合そうすっぱりと第2の人生に切り替えられない事情がある。務めてきた使命からなかなか解放されない不自由さと、調整をしながらでも社会につながる仕事を続けられる自由さの間で、第1の人生用だった時間の3割を、よそに振り替えて同時可動させる第1.5の人生とはどういうものか。

やり残した課題の点検と、選択、実施、そしてそれを支える心身の条件整備、というと企業の研修めくが、3割振り替えをこれに当てると、生活を活性化しながら結構楽しめそうだ。(つづく)

おまじない

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人生、計算通りに行かなくても、またよしとしよう